
ディスカウントのオリジナルメンバーは、ベースがJames Parker、ボーカルがAlison Mosshart、ドラムとボーカルがBill Nesper、ギターとボーカルがRyan Seagristで、1996年にファーストアルバム「Ataxia's Alright Tonight」を発表した。その後同じメンバーでセカンドアルバム「ハーフ・フリクション」を1997年に発表した後、このミニアルバムを発表した。
収められた曲は、いずれも3分前後のものが5曲。これらの曲は、英国人ミュージシャンBilly Braggの曲をカバーしたものらしい。トータル時間は15分15秒と短いが、演奏はディスカウントの魅力をよく表している。つんのめる前倒しのリズム、ごりごりと力強いベース、ざくざくとリフを刻むギター。そして幼さを感じさせるキュートなボーカル。
セカンドアルバムと比べても、このミニアルバムの曲は初心に帰ったかのような印象がある。生き生きとしたバンドらしさが感じられるのだ。たとえば3曲目「A Pict Song」のはじめにはカリッというギターかベースのシールドノイズ音があったり、4曲目「Help Save The Youth Of America」の冒頭にある笑いながらのカウントアップなど、よい意味できちんと整理されていない編集にあらわれている。
そして最も素晴らしいのは、1曲目「Accident Waiting To Happen」のアリソンのボーカルである。全くエフェクトをかけていない生々しい声。リバーブさえかけていない。息継ぎの音も聞こえてくる。まるで目の前で歌っているかのようだ。素晴らしい録音だ。またこのトラックで、アリソンのボーカリストとしての魅力と実力をあらためて感じさせてくれる。
ディスカウントはベースをTodd Rockhillに交代してサードアルバム「クラッシュ・ダイアグノスティック」を2000年に発表するのだが、カバー曲ではあるが、俺はむしろこのミニアルバムの方を評価したい。ディスカウントを少しでも評価しており、まだこのミニアルバムを聴いていないなら、ぜひ聴くべきだ。
このアルバムは1998年の2月にMorrisound Studiosで録音され、同年にFueled By Ramenから発売された。(20070514/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)

