Cornflakes and Crazyform / EPISODE SIX

episode_six_cornflakes_and_crazyfoam_small.png

エピソード・シックスは、後にディープ・パープルで活躍するイアン・ギランとロジャー・グローバーが参加していたことで有名だ。エピソード・シックスが結成されたのは1964年の7月だが、イアン・ギランが参加したのは1965年の5月だ。その時点のメンバーは、ボーカルがイアン・ギラン、ギターがグラハム・ディモックとトニー・ランダー、キーボードがシェイラ・ディモック、ベースがロジャー・グローバー、ドラムがハーベイ・シールドの6人だ。1966年と1977年にパイ・レコードからいくつかのシングルレコードを発表したが、イアン・ギランとロジャー・グローバーがディープ・パープルに参加するためにバンドを去ってからは活動が停滞した。しかし1974年までは続き、その後に参加したメンバーの中には、後にロキシー・ミュージックヤイアン・ギラン・バンドに参加することになるベーシストのジョン・ガスタフスンや、クオーターマス、ギランに参加するドラムのミック・アンダーウッドがいた。

アルバムは発表していないようで、ここに集められた曲は、シングル曲やデモ録音、リハーサルなどである。CD1が「The Story So Far...」と名付けられ、シングルとして発表された曲が25曲収められている。CD2は「Bonus Tracks」となっており、デモ曲やリハーサルが6曲、未発表シングル曲が3曲、シーラ・カーター・アンド・エピソード・シックス名義の曲が4曲、ライブ・イン・ヨーロッパの録音が2曲、初期の作曲が2曲、カバー曲が9曲の合計26曲が収められている。これと似たような編集で「Love, Hate, Revenge」があるが、こちらのほうがお買い得感がある。曲数も多いし、何よりも23ページにわたるカラーのブックレットがよい。様々なデータもわかるし、当時のバンドを知るための写真も豊富にある。ファンとしては嬉しい限りだ。

流行りのグループサウンズを真似た個性の薄い曲もあるが、ボーカリストとしてのイアン・ギランの個性を発揮させた曲もある。CD1では6曲目の「スタガー・リー」や8曲目の「キュー・セラ」、9曲目の「リトル・ワン」、そして14曲目の「ミスター・ユニバース」などだ。11曲目の「サンシャイン・スーパーマン」はドノバンの名曲だが、この曲もイアン・ギランらしさに味付けられている。20曲目の「ストーンズ・メドレー」も面白い。名曲「サティスファクション」で始まるカバー曲だ。また3曲目の「ラブ・ヘイト・リベンジ」や22曲目の「アイ・アム・ザ・ボス」など、ソフトであるが印象に残る名曲も多い。イアン・ギランが後にアルバムにまとめる「シャーカズー・アンド・アザー・ストーリーズ」につながる曲だ。

このCDは2002年にPurple Recordsから発売された。英盤だ。(20070531/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)
スポンサーサイト



Love, Hate, Revenge / EPISODE SIX

episode_six_love_hate_revenge_small.png

この音楽をどうジャンルづけようかと迷ったが、「グループサウンズ」とすることにした。ディープ・パープルのイアン・ギランとロジャー・グローバーが在籍した伝説のバンドであり、とりわけイアン・ギランというボーカリストを語る上で、とりわけ重要なものである。いったいどんな音楽を聴かせてくれるのだろう、と期待させてくれるのだが、ディープ・パープルやソロ活動を念頭において聴くと拍子抜けするだろう。だがここにはイアン・ギランという個性的なボーカリストがロックの道へ足を踏み出した歴史の一歩がある。

CD1は「The singles, As & Bs」と題されており、シングル曲が収録されている。ふにゃふにゃした甘い曲が続き、典型的な60年代グループ・サウンズ的な曲が続く。ビートルズのカバー曲さえある。しかしバンドのサウンドが徐々にオリジナリティーを確立していく過程がよくわかる。たとえばイアン・ギランとロジャー・グローバーが参加する前のディープ・パープルは、後のキー・パーソンである彼らがいないにもかかわらず斬新だった。このCDからは、グループ発足時には流行のサウンドをなぞった曲作りがされていたが、次第にビートが強くなり、17曲目の「モーツァルト・バーサス・ザ・レスト」のようなクラシックの手法をロックに適用した曲など、次第に初期のディープ・パープルの表現方法に接近していく様子が感じられる。

イアン・ギランのボーカルについては、途中13曲目の「リトル・ワン」あたりから、明らかにスタイルが変わってくる。曲もイアン・ギランのボーカルを中心にすえた作りになってくる。特筆すべきは16曲目の「ミスター・ユニバース」で、ここでイアン・ギランのシャウト&スクリームスタイルの原型が確立されている。なおこの曲は「イアン・ギラン・バンド」の同名の曲とは全く違うのだが、イアン・ギランにとってターニング・ポイントとなった曲であることは間違いない。

19曲目「アイ・ウィル・ウォーム・ユア・ハート」と20曲目「インセンス」では女性ボーカルが聴ける。シーラ・カーターという女性ボーカリストだ。21曲目「アイ・ウォント・ハート・ユー」と22曲目「UFO」ネオ・マヤという人物の作品になっているが、バンドのイメージを一新する曲だ。特に「UFO」はサイケデリックな曲、というかサウンド・イメージといったようなもので、バンドの方向性を模索している様子がうかがえる。

CD2は「Rarities, Demos, and Live Recordings」となっており、トラック1から6が別バージョンとアウトテイク、トラック7から13がデモ録音、残るトラック14から22がライブ録音だ。ライブ録音ではトラック14が「モーツァルト・バーサス・ザ・レスト」で、こなれていないがインパクトのある早弾きのギターが聴ける。その他のトラックでは、イアン・ギランのスクリームがあり、ライブではボーカルスタイルが固まりつつあったのだと思える。

このCDは2枚組で、2005年にCastle Musicから発売された英盤だ。(20070530/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)

Talisman: in the Studio & on Stage / GILLAN

gillan_talisman_in_the_studio_and_on_stage_small.png

このCDに限らずイアン・ギラン関連のコンピレーションアルバムには首を傾けたくなるものもある。「評価」という言葉を使うのは大袈裟だが、いったいどのような経緯でこのようなアルバムが発売されるに至ったのか、疑問に思う。しかしこのCDには、他のCDに見られないトラックがある。

2枚のCDが入っているが、1枚は「イン・ザ・スタジオ」と名付けられたスタジオアルバムからの寄せ集めである。「シャカズー」や「ホグワッシュ」など比較的ポップな1990年代の曲が続いた後、イアン・ギラン・バンドの初期の曲「クリアー・エアー・タービュランス」や「グッドハンド・ライザ」、「スキャラバス」などが続く。そしてアルバム「ネイキッド・サンダー」と「ツールボックス」の収録曲が続く。

面白いのは2枚目のCD、「オン・ステージ」で、ライブ録音が収められているものだ。特に3曲目「メッセージ・イン・ア・ボトル」と「ファイティング・マン」の2曲は、もともと日本のみで発売されたアルバム「ギラン」からの曲で、ライブ録音は珍しい。恐らく演奏メンバーも当時のもののように思える。ドラムのリーム・グノッキーはたいへんパワフルなドラミングを聴かせてくれるプレイヤーで、この録音でもすさまじいリズムが洪水のように流れてくる。残念なのは録音状態がいまひとつ良くないことと、アルバムの演奏を忠実に再現しており、バンドとしての遊びが少ないことだ。バンドが自身の曲を何度もステージで演奏すると、次第にバンドらしさがアレンジにでてきて、アルバム録音から逸脱してくるのだが、この演奏からは、まだそこまでバンドとしての成熟がみられない。通称「ジャパニーズ・アルバム」とも呼ばれるアルバム「ギラン」は大好きなだけに、もっと演奏が発掘されることを願っている。

それ以外に興味深いのは、CD2の9曲目「ブラック・ナイト」である。ディープ・パープルの有名な曲であるが、こなれた演奏で良い味を出している。また12曲目に「スモーク・オン・ザ・ウォーター」が演奏される。また13曲目の「ニュー・オーリンズ」もカバー曲で、最後の14曲目「ヘルター・スケルター」はビートルズの曲である。

いろんな意味でバラエティに富んだコンピレーションアルバムである。このCDは2004年にDemon Music Groupから発売されたEU盤だ。(20070529/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)

Things to Come , PSI-FI / SEVENTH WAVE

seventh_wave_things_to_come_psi-fi_small.png

セブンス・ウェイブの「サイ・ファイ」は学生時代にプログレ雑誌で紹介されており、ジャケットデザインの大胆不敵さもあって、いつか必ず聴きたいアルバムのひとつだった。今のようにWebで簡単に輸入CDを注文できるという時代ではなかったので、音楽雑誌の新譜情報をチェックしたり、輸入レコード店へ行けば棚の端から端まで見て回るということをした。たいへんな苦労でもあるが、楽しい時間でもあった。人間は好きなことのためには時間も苦労も厭わない。

しばらくして輸入レコード店の片隅でアルバム「シングズ・トゥ・カム」を見つけた。「サイ・ファイ」のジャケットに比べて地味な感じは否めず、これが本当に同じバンドのアルバムかどうかと疑いながら手にとってレジへ向かったことを思い出す。そして聴いた後も、しっくりこなかった。それは当時の俺がプログレッシブ・ロックというもののとらえ方が一面的であったためだ。

キング・クリムゾンやイエス、ELPといったバンドをプログレッシブ・ロックとして聴いていた。その感覚からすれば、セブンス・ウェイブを聴いても、確かにピンとこないはずだ。プログレッシブ・ロックという分類そのものに意味がない、と言ってもいい。もっと細かなジャンル分けが必要なのだ。

セブンス・ウェイブはグループの名前だが、実質的にはケン・エリオットトキーラン・オコナーの2人のプロジェクトである。ケン・エリオットはキーボードやシンセサイザーを弾き、キーラン・オコナーはパーカッションを叩く。しかしどちらもマルチ・プレイヤーであり、ボーカルも担当する。

実際のところ「エレクトリック・ポップ」という言葉がセブンス・ウェイブの音楽を良くあらわしていると思われる。キーボード中心の軽いサウンド作りがそう思わせるのだが、リズムはシーケンサーではなくドラムキットやパーカッションであり、しかもかなり熱いドラム・プレイをしてくれる。音が軽いのでポップな印象を受けるが、変拍子が随所に組み込まれており曲の構成はかなり複雑である。トータルアルバムとしての作りも意識されている。

このCDは「シングズ・トゥ・カム」と「サイ・ファイ」という2枚のアルバムを集めたもので、トラック1から14までが「シングズ・トゥ・カム」、トラック15から24が「サイ・ファイ」である。「シングズ・トゥ・カム」は1974年、「サイ・ファイ」は1975年のアルバムだが、アルバムの作りとして「シングズ・トゥ・カム」の方が複雑さを感じ、「サイ・ファイ」の方がダイレクトにロック的な印象を受ける。ボーカルがピーター・ガブリエルを連想させるようなところや音楽に演劇性が感じられるところもあって、ジェネシスとの類似性も感じられる。ロック・オペラ的なところはネクターにも近い。

このCDは1999年にGull Recordsから発売された英盤であるが、MSIが輸入して解説と英詞をつけて日本盤として発売したものだ。解説はたかみひろし氏が書いている。たかみひろし氏は日本にユーロピアン・ロックを広めたことで有名だが、その頃は自分の名前をひらがなで記していた。このCDの解説では高見博史と漢字で記している。(20070528/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)

For the Roses / Joni Mitchell

joni_mitchell_for_the_roses_small.png

このアルバムは、名作「ブルー」と、ジャズの要素を大胆に取り入れてジョニ・ミッチェルの名を知らしめた有名なアルバム「コート・アンド・スパーク」の間にはさまれたアルバムだ。邦題は「バラにおくる」とされる。

一曲目の「宴」を聴いてわかるとおり、前作「ブルー」を引き継いだような作りになっている。ただしここで歌われるものは、「ブルー」のように男女の愛をテーマにしたものではなく、また男女の愛と女性の生き方についてではなく、もっと広く人の生き方といったようなものを取り上げている。その意味では「ブルー」のような突き刺さる痛々しさが感じられないだけインパクトが薄いといえる。

サウンド的に感じられるのは、たとえば「パラングリル」における冒頭からのフルートの使い方や「レット・ザ・ウィンド・キャリー・ミー」でのサックスなどの管楽器、「恋するラジオ」のハーモニカ、など、ゲストプレイヤーを使った表現の幅が広がっている。リズムについても曲によってパーカッションが使われたり、「ブロンド・イン・ザ・ブリーチャーズ」ではドラムキットが登場する。ハーモニカで参加しているのは「クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング」のグラハム・ナッシュだ。

といったようにサウンド面での拡張がされていることと同時に、ジョニ・ミッチェルの歌にも表現の広がりと深まりがみられる。特に俺のお気に入りは「コールド・ブルー・スティール」だ。実に透明感のある歌い方で、あまりに真剣に聴き込むと、永遠の深みに引きずられそうになる。ブルースである。ジョニ・ミッチェルの解釈したブルースの形があらわれている曲だ。

2枚の名作アルバムに挟まれて、どちらかといえば知名度の低いアルバムかもしれない。しかし「ブルー」ほどの刺々しさがないところが、逆にいえばいつまでも飽きることなく、やや軽い気分で聴くことのできるアルバムだ。

このアルバムは1972年に発表された。このCDはWEA International Inc.から発売された日本盤だ。(20070525/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)

Anthology / GILLAN

gillan_anthology_small.png

ファンならばこのようなCDを見ると、いったいどんな録音が収められているのだろう、と気になってしかたがないはずだ。2枚組で、CD1は12曲で56分23秒、CD2は12曲で51分01秒もある。合計すると2時間に近い。

収められたものは、あるものはデモトラックらしきもの、またあるものは別テイクらしきもの、そしてライブ録音、アリーナ級の会場から中規模のホールらしきものまで、カセットテープで撮ったようなクオリティの低いものから、正式なライブ録音としても通用しそうなもの、そして遊びで録音したようなもの。とにかくごった煮状態で収められている。

メンバーはベースとギターがジョン・マッコイ、ギターがバーニー・トーメ、キーボードとフルート、バッキングボーカルとしてコリン・タウンズ、ドラムとパーカッションがミック・アンダーウッド、そしてボーカルがイアン・ギランだ。アルバム「ミスター・ユニバース」、「グローリー・ロード」、「フューチャー・ショック」、そして「ダブル・トラブル」からの曲が中心だ。

もちろんオフィシャルアルバムの曲を聴くのが正しい鑑賞態度ではあるが、ファンとしてはこのようなCDも聴かずにはいられない。このCDは2003年にAngel Airから発売された、ドイツ盤だ。(20070518/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)

The Solid Gold Collection / Ian Gillan

ian_gillan_the_solid_gold_collection_small.png

イアン・ギラン・バンドの魅力は、レイ・フェンウィックのギターとジョン・ガスタフスンのベース、マーク・ナウシーフのドラムによる、そのジャズ・ロック的なアプローチだ。そしてコリン・タウンズのキーボードを加えて「プログレッシブ・ロック」としての評価も得ている。しかしイアン・ギランのボーカルはプログレ的ではなく、その対比が面白いという人もいる。

しかしイアン・ギランのボーカルは、ある意味で革命的であり、挑戦的だ。ボーカルを叫び声で表現するのは、例えばオノ・ヨーコが「fly」でみせたような「うぇぇえぇぇ」というものと似ているともいえる。その意味では、イアン・ギランのボーカルそのものが「プログレッシブ」であるといえよう。

このCDは、イアン・ギランのソロの足跡を概観するのにうってつけだ。1枚目のCD1曲目から4曲目はアルバム「Cherkazoo And Other Stories」から、5曲目から7曲目はセカンドアルバムの「クリアー・エアー・タービュランス」から、8曲目から14曲目はサードアルバム「スカラバス」から。2枚目のCD1曲目から5曲目までは「アクシデンタリー・オン・パワポーズ」、6曲目から11曲目まではアルバム「ネイキッド・サンダー」、12曲目から16曲目まではアルバム「ツールボックス」からの選曲である。

録音は元のオフィシャルアルバムどおりのもので、このCDを聴いても驚きはないが、このCDを使ってイアン・ギラン・バンドを手軽に聴くというのもありなのだろう。2005年にUnion Square Ltd.から発売されたものだ。(20070517/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)

Rarities 1975 - 1977 / IAN GILLAN BAND

ian_gillan_band_rarities_1975_1977_small.png

ファンにとってはお蔵入りのはずであった録音が手に入ることは嬉しいことであるが、当事者にとってはどうなのだろう、と心配してしまう。おそらくレイ・フェンウィックのインタビューから組み立てたと思われる8ページにわたる解説には、イアン・ギラン・バンドに関する裏話がいろいろと書かれている。

このCDに収められたトラックは、あるものはオフィシャルアルバムに収録された曲のデモバージョンであり、またあるものは幻の4thアルバムとして録音された未発表曲であり、またあるものはオフィシャルアルバムのトラックからボーカルを抜いた「バッキング・トラック」であり、あるいはライブ録音であったりする。いずれも「お蔵入り」の運命にあった録音だ。

オフィシャルアルバムのバッキング・トラックはもちろんのこと、デモバージョンであれ未発表曲であれ、録音状態はすこぶるいい。さらに未発表曲にはジョン・ガスタフスンがボーカルをとった曲があったり、ロジャー・グローバーがベースを弾いた曲があったりする。

レイ・フェンウィック、ジョン・ガスタフスン、マーク・ナウシーフ、コリン・タウンズ、そしてイアン・ギラン。第一期といえる黄金期のイアン・ギラン・バンドの魅力を再確認するCDだ。ライブ録音の「スモーク・オン・ザ・ウォーター」は東京公演のようだ。曲の終りに「トーキョー、ユー・ハブ・ビーン・ファンタスティック!」とイアン・ギランが応えている。

このCDは2003年にAngel Air Recordsから発売された。パッケージには英盤と書いてあるが、CDにはオーストラリア盤と書かれている。(20070516/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)

Live at the Rainbow / IAN GILLAN BAND

ian_gillan_band_live_at_the_rainbow_small.png

1977年5月14日に行われたイアン・ギラン・バンドのロンドン、レインボー・シアターでのライブを収録したものである。レインボー・シアターでの収録曲は「クリアー・エアー・タービュランス」、「マネー・レンダー」、「チャイルド・イン・タイム」、「スモーク・オン・ザ・ウォーター」、「ウーマン・フロム・トーキョー」の5曲で、もう一曲、6曲目の「ツイン・エクゾーステッド」は録音の詳細がわからない。CDには「ツイン・エクゾーステッドはもっと後の録音だが、レインボー・シアターでの録音と似ているので、このCDに収録することを決めた」といったことが書いてある。

イアン・ギラン・バンドはファーストアルバム「チャイルド・イン・タイム」を1976年7月に発表し、1977年4月にはセカンドアルバム「クリアー・エアー・タービュランス」を発表したところであった。ファーストアルバムからの「チャイルド・イン・タイム」はディープ・パープルのものと異なり、イアン・ギラン・バンドとしての演奏が確立したものだ。それに対してセカンドアルバムからの「クリアー・エアー・タービュランス」と「マネー・レンダー」は、アルバム発表直後ということもあり、またもともと完成された様式美を持っていることもあり、アルバムに忠実な演奏になっている。

「スモーク・オン・ザ・ウォーター」と「ウーマン・フロム・トーキョー」の2曲はディープ・パープルの曲だが、いずれもこのバンドで演奏を繰り返してきたためか、自分たちのバンドの曲に完全に消化しており、とてもヘビーな仕上がりになっている。観客の歓声からも、その演奏の素晴らしさがわかる。「ツイン・エクゾーステッド」も最高だ。

録音は悪くない。ライブ会場にマイクをそれなりにちゃんと立てて録音したもののようだ。ライブ感が十分に味わえる。全部で6曲、時間にして36分43秒の短いアルバムだが、当時のイアン・ギラン・バンドの勢いを感じられる録音だ。レイ・フェンウィック、ジョン・ガスタフソン、マーク・ナウシーフ、コリン・タウンズ、そしてイアン・ギランのこのメンバーが大好きなファンとしてはとても嬉しい。(20070515/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)

Love, Billy / DISCOUNT

discount_love_billy_small.png

ディスカウントのオリジナルメンバーは、ベースがJames Parker、ボーカルがAlison Mosshart、ドラムとボーカルがBill Nesper、ギターとボーカルがRyan Seagristで、1996年にファーストアルバム「Ataxia's Alright Tonight」を発表した。その後同じメンバーでセカンドアルバム「ハーフ・フリクション」を1997年に発表した後、このミニアルバムを発表した。

収められた曲は、いずれも3分前後のものが5曲。これらの曲は、英国人ミュージシャンBilly Braggの曲をカバーしたものらしい。トータル時間は15分15秒と短いが、演奏はディスカウントの魅力をよく表している。つんのめる前倒しのリズム、ごりごりと力強いベース、ざくざくとリフを刻むギター。そして幼さを感じさせるキュートなボーカル。

セカンドアルバムと比べても、このミニアルバムの曲は初心に帰ったかのような印象がある。生き生きとしたバンドらしさが感じられるのだ。たとえば3曲目「A Pict Song」のはじめにはカリッというギターかベースのシールドノイズ音があったり、4曲目「Help Save The Youth Of America」の冒頭にある笑いながらのカウントアップなど、よい意味できちんと整理されていない編集にあらわれている。

そして最も素晴らしいのは、1曲目「Accident Waiting To Happen」のアリソンのボーカルである。全くエフェクトをかけていない生々しい声。リバーブさえかけていない。息継ぎの音も聞こえてくる。まるで目の前で歌っているかのようだ。素晴らしい録音だ。またこのトラックで、アリソンのボーカリストとしての魅力と実力をあらためて感じさせてくれる。

ディスカウントはベースをTodd Rockhillに交代してサードアルバム「クラッシュ・ダイアグノスティック」を2000年に発表するのだが、カバー曲ではあるが、俺はむしろこのミニアルバムの方を評価したい。ディスカウントを少しでも評価しており、まだこのミニアルバムを聴いていないなら、ぜひ聴くべきだ。

このアルバムは1998年の2月にMorrisound Studiosで録音され、同年にFueled By Ramenから発売された。(20070514/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)

Blue / Joni Mitchell

joni_mitchell_blue_small.png

オープニングの「オール・アイ・ウォント」とエンディングの「リチャードに最後に会った時」は、このアルバムを聴いた後でとりわけ印象に残る曲だ。この2曲が対になり、ひとりの女性の愛と人生の歩みがみごとに描かれている。この2曲の対比によって、このアルバムが名作とされると言っても過言ではない。

「オール・アイ・ウォント」は自由で強い女へのあこがれと、素朴な愛の賛歌だ。自分の気持ちに素直であるということ、自由であること、そして愛することで互いに高めあうことができる。いわばユートピア的な愛の形が理想として歌われる。しかし「リチャードに最後に会ったとき」では、幸せとは何だろうという問いに気付きながら、もはや幻想となってしまった愛に焦がれ、薄暗いカフェで過ごすしかない悲しみが歌われる。弱々しく虚勢をはりながら。悲痛である。

ジョニ・ミッチェルがこの歌を歌ったのは1971年。もはやこのとき彼女は、底の浅い新しい愛の形に対して懐疑をおぼえ、警鐘を鳴らしていたのだ。20台の後半を迎え、数々の恋愛を経験しながらたどりついたひとつの結論がここにある。それは悲しく切実で、逃げることのできない冷酷な現実だ。

サウンド面では前作に比べてむしろシンプルになっている。アコースティック・ギターの曲は、2本のギターを効果的に伴奏に使っているが、ギターの曲はギターだけ、ピアノ伴奏の曲はピアノだけとシンプルだ。またジョニ・ミッチェルのボーカルも、ほとんどエフェクトをかけない肉声で録られ、コーラスなどのオーバーダビングもされていない。

このアルバムは1971年に発表された。このCDはワーナー・ミュージック・ジャパンから「フォーエバー・ミュージック」シリーズとして発売された日本盤だ。(20070511/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)

Ladies of the Canyon / Joni Mitchell

joni_mitchell_ladies_of_the_canyon_small.png

ジョニ・ミッチェルは1943年、カナダのアルバータ州フォート・マクリードという町で生まれた。母は教師、父はカナダ空軍のパイロットだった。そのため戦中は両親とともにいくつもの基地を転々としたという。戦後には父が食料品店をすることになって、11歳のときにはサスカチェワン州最大の都市であるサスカトゥーン市に落ち着いた。ジョニ・ミッチェルはこのサスカトゥーンを自らのホームタウンであると思っているようだ。

7歳のときからピアノのレッスンを受けた。そして作曲することに天性の素質を見出した。また学校では美術にも才能をみせた。そして英語の先生からは「あなたは筆で絵を描くように、言葉を綴ることができる」と言われたらしい。

このアルバムは、名作「ブルー」に先立つサードアルバムだが、音楽的なスタイルはこのアルバムで既に完成していると言っていい。2本のギターを使った伴奏にのせ、写実的に、夢見るように歌う。「ブルー」の刺すような緊張感はないが、それだけに味わい深い。

有名な「サークル・ゲーム」の歌詞は素晴らしい。またクロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングが歌って有名になった「ウッド・ストック」もいい。しかしアルバムのオープニングにふさわしい「モーニング・モーガンタウン」、リズム感のある「会話」、タイトル曲の「レディズ・オブ・ザ・キャニオン」、ロック的なリズムの「ビッグ・イエロー・タクシー」などジョニ・ミッチェルらしさの感じられる曲がたくさんある。

ジョニ・ミッチェルのことを「女のボブ・ディラン」と言われることがあるらしい。そのように思ったことはほとんどなかったのだが、このアルバムの「プリースト」を聴くと、ジョニ・ミッチェルにもボブ・ディランの影響があるのではないか、と感じるところもある。

「フォー・フリー」や「アレンジメント」のように、成功しスターダムにのしあがった自らの姿に戸惑っていることも素直に歌になっている。「フォー・フリー」はストリートのクラリネット・プレイヤーを歌ったもので、この曲を聴いて、クラリネットが吹きたくなった。

このアルバムは1970年に発表された。このCDはワーナー・ミュージック・ジャパンから「フォーエバー・ミュージック」シリーズとして発売された日本盤だ。(20070510/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)

Clouds / Joni Mitchell

joni_mitchell_clouds_small.png

名作「ブルー」からジョニ・ミッチェルの世界に足を踏み入れた俺にとっては、どうしても「ブルー」との対比で他のアルバムをみてしまうところがある。「ブルー」はジョニ・ミッチェルにとって4枚目のアルバムであり、このアルバムは名作「ブルー」の前々作、ジョニ・ミッチェルのセカンドアルバムである。サウンド面でいえば、「ブルー」がアコースティックギターを伴奏にした曲とピアノを伴奏にした曲を織り交ぜてバリエーションを出していたのに対して、このアルバムではアコースティックだけのシンプルなものである。またそのギターも、ブルーでは2本のギターを複雑にからませたものであるのに対して、このアルバムではどちらかといえばトラッドでシンプルな伴奏といえる。

歌詞については「私は判っている」と邦題のついた「I Think I Understand」と「年老いていく子供たちへ」とされる「Songs To Aging Children Come」以外は基本的に愛の歌である。ここで歌われる愛は、基本的にはそれぞれに完結した愛の物語であり、「ブルー」で歌われるように人生そのものをテーマにし、愛と格闘し、矢尽き刀折れる、といった激しいものではない。

ジョニ・ミッチェルの歌は、聴きやすいと言えるかもしれない。「ブルー」は何かをしながら聴く、ということができないアルバムだ。たとえBGMとして流していても、必ず心を奪われるとげとげしい存在感があるが、このアルバムは比較的素直に「歌」を楽しめるものであるといえる。

発展途上である、という印象のアルバムだが、これはこれで、いい。このアルバムは1969年に発表された。このCDはワーナー・ミュージック・ジャパンから「フォーエバー・ミュージック」と題されたシリーズの一枚で日本盤だ。歌詞と対訳があるのがありがたい。(20070509/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)

Crash Diagnostic / DISCOUNT

discount_crash_diagnostic_small.png

1997年に衝撃的なファーストアルバム「Ataxia's Alright Tonight」を発表したディスカウントのサードアルバムである。ファーストアルバムにおける天衣無縫な荒々しさはディスカウントの大きな魅力だった。そしてバンドのメンバーが生き生きと演奏し、ライブの中から練り上げられた曲は魅力的だった。セカンドアルバム「Half Fiction」では落ち着いた演奏をみせてくれたが、ファーストアルバムで感じた魅力は残念ながら半減していた。

ロックバンドというものは、ひとつのマジックである。それぞれに個性的で技術のあるミュージシャンが集まっても、必ずしも素晴らしいバンドになるとは限らない。また技術的にも経験も未熟なメンバーが集まったとしても、ひとつのバンドとしてまとまったときに途方もないエネルギーを出すことがある。これがロックバンドの面白さであり、最大の魅力である。

このディスカウントの場合はどうか。ファーストアルバムの荒々しさは、テクニックよりもやりたいことが先にある傍若無人なギターと、「へたうま」と言いたいくらい幼い女性ボーカル、そして「リズムを保つ」という言葉を知らないかのように早くなったり遅くなったりするどたばたドラムが大きな魅力であった。このアルバムではベースがJames ParkerからTodd Rockhillへと変わったが、他のメンバーはファーストアルバムから同じである。確かに上手くなった。しかしバンドとしての輝きは、ファーストアルバムでみせてくれたほどの眩しさを感じない。

このアルバムが悪いと言っている訳ではない。演奏は堂々としており、まさに順風満帆の貫録である。曲もバラエティに富み、それぞれに個性的でスピード感も失われていない。特にボーカルのAlison Mosshartの成長が著しい。素人くささがなくなり、ロックシンガーの歌い方になっている。それでいてキュートな魅力はちゃんと持っている。ある意味でこのアルバムは、落ち着いてじっくりと味わうことができるものである。

残念ながらこのサードアルバムを残して解散してしまうディスカウントだが、俺たちには記録された3枚のアルバムを、気の済むまで聴く幸せが残されている。このアルバムは1999年の7月にInner Ear Studiosで録音された。(20070508/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)

Half Fiction / DISCOUNT

discount_half_fiction_small.png

このバンドを「パンク」と呼ぶことが正確かどうか自信がないが、あえて分類するとなると、やはり「パンク・ロック」なのだろう。このアルバムはディスカウントのセカンドアルバムである。メンバーはファーストアルバム「Ataxia's Alright Tonight」と同じ。ベースがJames Parker、ボーカルがAlison Mosshart、ドラムがBill Nesper、ギターがRyan Seagristだ。

ファーストアルバムに比べて明らかに音が洗練されている。はっきりと違うのはギターの音だ。ファーストアルバムでは比較的ナチュラルなディストーション・サウンドであったものが、このアルバムでは強くソリッドに歪ませた音になっている。これは好みが分かれるところだろう。ファーストアルバムの若々しい突っかかるような音が好きだ、という人も多いに違いない。

もうひとつの違いは、ファーストアルバムで荒々しく暴れまわっていたドラムと、ごりごりと弾きまくっていたベースがおとなしくまとまっていることである。ディスカウントの魅力はキュートなボーカルと曲の主導権を握るギターにあるのは間違いないが、ファーストアルバムでみせたドラムとベースの荒々しいリズムも魅力があった。だからこそバンドが一体となって演奏しているという感動があったのだが、このセカンドアルバムでは、リズムを押さえることを意識し、あえて派手なプレイを避けているように思える。

その意味ではやや物足りないところも感じるが、リズムがシンプルなだけに疾走感があり、ボーカルとギターの魅力を前面に押し出したアルバム、というかんじだ。なお付け加えると、6曲目「Pocket Bomb」、7曲目「Keith」、9曲目「Stale Laughter Fake Smile Soup」などでは暴れまわるドラムもみせてくれる。

録音は1997年の6月。Morrisound StudiosでSteve Heritageによって行われた。Additional EngineeringとしてMitchell Howellの名前がある。またアートワーク、ペインティング、ドローイング、タイピング、レイアウトのすべてをアリソンが行った、とある。このアルバムは1997年にTank Musicから発売された。(20070507/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)

Barbeque Dog / RONALD SHANNON JACKSON AND THE DECORDING SOCIETY

ronald_shannon_jackson_barbeque_dog_small.png

ロナルド・シャノン・ジャクソンはオーネット・コールマンのプライム・タイムでドラムを叩き、ジャズの歴史上重要なアルバム「ダンシング・イン・ユア・ヘッド」と「ボディ・メタ」に参加した。またジェイムズ・ブラッド・ウルマーの「アー・ユー・グラッド・トゥ・ビー・イン・アメリカ」やビル・ラズウェルの「ベースライン」にも参加した。またアルバート・アイラーやセシル・テイラーのアルバムに参加したこともある。

リーダー・アルバムとして日本で有名なものは「マン・ダンス」であるが、これはロナルド・シャノン・ジャクソン名義のアルバムとしては4作目である。この「バーベキュー・ドッグ」は続く5作目のアルバムにあたる。その大胆さ、斬新さ、エネルギッシュな演奏などあらゆる点において、俺はこのアルバムを、ロナルド・シャノン・ジャクソンの初期のベストアルバムだと確信している。

タイトル曲「バーベキュー・ドッグ」をはじめ素晴らしい曲が並ぶが、中でも俺のお気に入りは、とぼけたスピード感がある「ユーゴ・ボーイ」、そして独特の浮遊感をもつ「ホエン・チェリー・ツリーズ・ブルーム・イン・ウインター、ユー・キャン・スメル・ラスト・サマー」である。これ以外の曲も、リフが実に印象的で魅力がある。リフにからむインタープレイも素晴らしく、バンドとして有機的にうまく機能しており、各ミュージシャンの個性が存分に発揮されている。

ロナルド・シャノン・ジャクソンはアメリカ、テキサス州フォートワースで1940年に生まれた。数多くの革新的なアルバムに参加し、自らのバンド「デコーディング・ソサエティー」を結成したのは1979年である。セッションアルバムにおけるドラムプレイも見逃せないが、やはりリーダーアルバムが最ものびのびと叩いている気がする。日本ではアルバムが手に入れにくく、このCDも何年も探し続けて苦労して手に入れたのだが、できる限り追い続けたいミュージシャンのひとりだ。

このアルバムは1983年に発表された。1983年の3月にイギリス、ロンドンのジャム・レコーディングというスタジオで録音され、4月にアメリカ、ニューヨークのエレクトリック・レディ・スタジオで編集されたとある。デコーディング・ソサエティのメンバーとして、ドラムがロナルド・シャノン・ジャクソン、ギターがヴァーノン・リード、ベースがメルヴィン・ギブス、ソプラノとアルトサックスとしてゼイン・マッセイ、フレットレス・エレクトリック・ベースとしてリバーンド・ブルース・ジョンソン、トランペットとしてヘンリー・スコットの名前がクレジットされている。(20070502/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)

The Frank Cunimondo Trio Introducing Lynn Marino / THE FRANK CUNIMONDO TRIO

the_frank_cunimondo_trio_introducing_lynn_marino_small.png

フランク・カニモンドとリン・マリノのことを知ったのは、あるジャズのコンピレーションCDからだった。このコンピレーションCDを手に入れたのも偶然で、たまたま放出セールをやっていたWebのCDショップで、気まぐれに100円の値段がついたものを何枚か購入した中にあった。そのCDには、独特のハスキーな女性ボーカルの軽快な曲、一度聴いたらもう忘れることはできない魅力的な曲があった。それが「フィーリン・グッド」だった。

このコンピレーションCDで聴くまではフランク・カニモンドという名前を知らなかったが、有名なジャズ・ピアニストらしい。アメリカ、ペンシルバニア州のピッツバーグで生まれ、6歳の頃からクラシックピアノを習い始め、後にジャズピアノを弾くようになる。すでに10代前半で、ピッツバーグ周辺のクラブでジャズピアノを弾くようになる。19歳のときには、アトランティックシティーやマイアミなど多くの都市をツアーした。ピッツバーグでは有名なクロフォード・グリルというクラブでよく演奏した。また若きジョージ・ベンソンともステージをよく共にしたという。

またフランク・カニモンドはジャズピアノの教師としてのキャリアもある。デュケーヌ大学やピッツバーグ大学、カーネギー・メロン大学で教えたそうだ。また1980年代には「Cunimondo's Keyboard Jazz Supper Club」というクラブをピッツバーグでもっていた。1989年にはピッツバーグで「ベスト・ジャズピアニスト」に選ばれた。

一方で魅惑的なボーカルを聴かせてくれるリン・マリノについては詳しいことがわからない。物憂げに、気だるく、甘えたような幼い声は他にたとえようのない魅力がある。このCDにある簡単な解説によると、この録音の当時リン・マリノは19歳であったそうだ。CDの帯には「ピッツバーグが生んだ『もうひとりのブロッサム・ディアリー』の知られざる名唱が、いま蘇る」とある。だがブロッサム・ディアリーほどの素人くささはない。

俺が夢中になった「フィーリン・グッド」はもちろん、他にも素晴らしい曲がたくさんある。「フィーリン・グッド」はフランク・カニモンドのオリジナルではなく「Bricusse / Newley」のクレジットがある。このCDでは一曲目の「ラブ・ソー・ファイン」だけがフランク・カニモンドのオリジナルだ。この曲もいい。

このCDは2000年にサウンドヒルズレコードから発売された日本盤だ。録音は1960年代末、ピッツバーグ、とだけ、ある。(20070501/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)

プロフィール

yoc

Author:yoc
1998年から「カルト・ミュージック・コレクション」というWebサイトを始めた。これを2006年12月からblogの形で再開することにした。音楽を心から愛する者のために、俺は書く!

最近のトラックバック

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索