Sinfonia Tapkaara, Ritmica Ostinata, Symphonic Fantasia No.1 / Akira Ifukube シンフォニア・タプカーラ、リトミカ・オスティナータ、SF交響ファンタジー第1番 / 伊福部昭

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伊福部昭にはユーラシア大陸の血が脈打っていたに違いない。この北海道にいた無名の作曲家に初めて評価を与えたのはロシアの作曲家チェレプニンであった。そしてこのCDで演奏するのは、ロシア・フィルハーモニー管弦楽団。指揮はドミトリ・ヤブロンスキーだ。まさに伊福部昭のダイナミズムをあますところなく表現した演奏である。

「シンフォニア・タプカーラ」はよく知られた曲である。「タプカーラ」とはアイヌ舞踊の形式のひとつを指す言葉であり、宗教儀式や酒宴の席で長老によって行われ、自然の恵みに感謝する意味があるという。土着的なリズム感に貫かれながら、日本的な旋律が随所に取り入れられている。

第1楽章はまさに伊福部サウンド。一度聴いたら忘れられない力強い印象的なフレーズ。執拗に繰り返されるテーマのオスティナート。第2楽章はゆったりと流れる。そして第3楽章。荒々しいリズムに乗って華やかなテーマが奏でられる。中間部のやや穏やかな部分をはさみ、ずんずんと刻まれる弦楽器にのって管楽器が豪快に吹き鳴らされて終焉する。

「ピアノとオーケストラのためのリトミカ・オスティナータ」は題名にも込められたように、オスティナート、テーマの繰り返しを意識した曲だ。ここでのピアノによるテーマは、拍子感のない浮遊するようなもので、ミニマル・ミュージックの影響も受ける。

そしてもはや説明の必要はない「SF交響ファンタジー第1番」である。半音階の不安定感を最大限に生かし切ったゴジラのテーマは、誰が聴いてもそれとわかる。

さらにこのCDで嬉しいのは、片山杜秀による伊福部昭と収録曲についての12ページにわたる日本語による解説である。これを読めば、伊福部昭とは何者だったのか、そしてその音楽に込められた秘密の一端を垣間見ることができる。

これらの曲は、2004年5月、モスクワ、ロシア国営TV&ラジオ・カンパニー「Kultura」、第5スタジオで録音された。このCDは2004年にNAXOSから発売され、株式会社アイヴィによって輸入・販売された。(20061229/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)
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1998年から「カルト・ミュージック・コレクション」というWebサイトを始めた。これを2006年12月からblogの形で再開することにした。音楽を心から愛する者のために、俺は書く!

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