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Solitudes / Caspar Rene Hirschfeld

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「魔境」の第1楽章「Prelude」のピアノ第1音に全身全霊を集中せよ。そうすればヒルシュフェルトの作りだした永遠の時間を手にすることができるはずだ。これ以上は説明しない。自分の耳で確かめろ。そして永遠の時の狭間から次第に魔境がその姿を現してくる。魔境の中へ誘われ、その耽美な世界を味わい尽くせ。

第2楽章「Scherzo」では、一転して弾けるピアノ、そして叩かれて目を覚まさせられる。魔境の世界から現実の世界へと我に返る。ドビュッシーのような印象派的フレーズ。しかしここは本当に現実の世界だろうか。そう思う間もなく第3楽章「Funeral March」で再び魔境へと引き戻される。

第4楽章「Interlude」には構成美がある。摩天楼の果てしない螺旋階段を登るように、構成されたフレーズがリズミカルに駆け上がっていく。第5楽章は「Air」では、訥々とした音で表現された空間の中に、次第に怪しの霞が立ち込めてくる様子が描かれる。

第6楽章「Dance」は、ジャズのベースラインが用いられている。よろめきながら、ときおり痙攣するように舞い散るダンス。そして曲は途切れることなく最後の第7楽章「Postlude」へと続く。そして静かに魔境は、闇の中へと沈み込んでゆく。

「Makyo 魔境」と名付けられた7つのピアノ曲は、日本語の「魔境」からイメージを取られた作品だ。カスパール・ルネ・ヒルシュフェルトは自らの言葉で「Makyo」と題したことについて、「Japanese: visions, evoked by deep meditation」とCDの解説で語っている。「深い瞑想に呼び起こされた幻想」。つまり、頭の中に作られた架空の世界、というようなかんじか。ピアノはAndreas Gobel(アンドレアス・ゲーベル)。

「Chant of the Night」は独唱、というよりも独白に近い声楽曲だ。歌詞に用いられているのは、Walt Whitman(ウォルト・ホイットマン)のLeaves of Grassという詩からとられている。現代音楽でも声楽曲は苦手なのだが、この曲は楽しめた。歌詞がついているものありがたい。ソプラノはGrit Diaz de Arce(グリッド・ディアス・デアルチェ)。

最後の「Solo」はバス・クラリネットの独奏曲。演奏はMatthias Badczong(マティアス・バーデツァング)。このアルバムに収められた曲はすべて独奏曲であり、アルバムタイトルの「Solitudes(孤独)」が示しているように、そしてホイットマンの詩、夜の草原に佇み、自然と一体になる男の詩が示しているように、これらの曲を貫くひとつのテーマが「孤独」である。

これらの曲は1998年8月の5日と6日に、ベルリンで録音され、現代音楽を専門とするレーベルCol legno(コル・レーニョ)から2001年に発売された。(20070116/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)
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1998年から「カルト・ミュージック・コレクション」というWebサイトを始めた。これを2006年12月からblogの形で再開することにした。音楽を心から愛する者のために、俺は書く!

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