Pleiades / Iannis Xenakis

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合奏曲における各楽器の相互作用とは何だろうか。この6つの打楽器による「プレイアデス」では、打楽器の相互作用に関して様々な試みが行われている。

「Melanges」では、それぞれの打楽器は自分勝手にきままに演奏しているように思える。自分の内面のリズムにのみ従ってリズムを刻み続けているのだが、しかし他の打楽器に全く耳を貸していないわけではない。微妙なシンクロの瞬間が時折訪れる。そしてそれら気ままな楽器たちが、全体として一つの楽曲を構成し、統一のとれた音空間を作っていることがおもしろい。その統一感は曲の後半部に1度、そして最後に2度目の結論が出され、意識的に披露される。

「Metaux」は「Melanges」と異なり、楽器の相互作用が積極的に利用されている。曲の冒頭では、打楽器のリズムが揃っているようで微妙にずれている。そのずれ具合は偶然性によって支配されており、カオス的な現象によって影響を受ける。たとえば微妙な周波数の違いによって2つの音がうねりを生ずるように、打楽器のリズムがうねりを持って重なり、新しい第3のリズムを生み出すようだ。そして打楽器たちは、さまざまなバリエーションを積み重ねながら、錯綜する。

「Claviers」では、より打楽器の相互作用は意識的に行われる。打楽器たちは、互いに相手の演奏に無関心をよそおいながら、ゆるやかな統一に向かったり、また散り散りになったりする。

「Peaux」はプリミティブなドラムで始まる。ここでも打楽器は完全なひとつのリズムを形成するというのではなく、危ういバランスを保ちながら、しかし、これまでの3曲よりは強い相互作用によって結ばれている。野性的なドラミングは、祝祭的であり、呪術的なエネルギーを感じさせるものだ。曲の終焉に向けては、次第に相互作用は強くなり、最後には感慨深い大きな一体感をもって完結する。

スティーヴ・ライヒがミニマル・ミュージックのひとつの究極形である「ドラミング」を作曲したのは1971年である。そして、この「プレイアデス」が作曲されたのは1978年である。クセナキスがライヒの「ドラミング」を聴いたかどうかはわからないが、「プレイアデス」にはミニマル・ミュージックの影響がうかがえるとともに、ポリリズムの概念が取り込まれている。

あまり一般的ではない打楽器アンサンブルという形の曲であるが、クセナキスの作品としては意外性の少ないものといえるかもしれない。このCDは1996年にharmonia mundiから発売されたドイツ盤だ。もとは1987年に発売されたもののようである。(20070124/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)
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1998年から「カルト・ミュージック・コレクション」というWebサイトを始めた。これを2006年12月からblogの形で再開することにした。音楽を心から愛する者のために、俺は書く!

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