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Sonatas and Interludes for Prepared Piano / John Cage

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1970年代半ばから後半にかけて、プログレッシブ・ロックやニュー・ウェイブに関心があった者にとっては、カールハインツ・シュトックハウゼンやヤニス・クセナキス、そしてジョン・ケージの名前は、早くから耳にしていた。当時の音楽雑誌の中で先進的なものは、彼らの音楽を記事の中で紹介していたからだ。しかし当時は実際にそれら現代音楽を実際に耳で聴く機会はほとんどなかった。コンサートで聴くなどということはもちろん、レコードすら手に入れることは難しかったからだ。

聴くことができないため、記事として文章でこれら現代音楽のことを読んでも、もちろんどんな音楽かはわからない。そのためなおさら、これら先進的な現代音楽に対するあこがれが心の中で膨らんでいった。それが今日では、比較的有名な現代音楽曲であれば、容易にCDを手に入れることができるようになった。たいへん喜ばしいことである。

現代音楽に関する情報が乏しかった当時でも、ジョン・ケージの「プリペアード・ピアノのための音楽」は比較的イメージしやすいコンセプトだった。ピアノの弦にボルトやプラスティック、ゴムなどさまざまな異物を挟み込み、ピアノの音を変化させる、というものは、ある程度想像することができた。しかし、なぜピアノの音を変えるのか、音を変えることにどんな意味があるのか、ということまでは、実際に音楽を聴くまで理解できなかった。

ピアノの弦に異物を挟む、という行為は、もちろん単に奇妙で非日常的な音を出すというだけではない。異物を挟むことによってピアノの音に持続がなくなり、音程感が失われ、パーカッションのような音色を作りだすことができるのだ。また誇張された倍音は、リング・モジュレータを介したような効果も得ることができる。そしてこれらの加工は、ピアノの全ての弦に対して行われるのではない。88鍵のうち49鍵に加工が加えられ、残りの鍵盤は通常の音を出す弦が確保されている。つまり加工された弦の音は、通常のピアノの音と共に使われることによって、新しい音楽的効果が得られるのである。

16曲の「ソナタ」と4曲の「インターリュード」のうち、「ソナタ第5番」は、リズムと音色の使い方が最も効果的に感じる。プリペアード・ピアノの面白さが素直にわかるのはこの曲だ。初めて聴くときは、この曲をまず最初に聴くのが良いかもしれない。また多くの曲はリズムの面白さが強調されており、プリペアードされた弦の音程感は薄く、調性に欠けた雰囲気の曲が多いのだが、その中にあって「ソナタ第12番」は別格にドラマチックであり、かつ、プリペアードされた弦の音がとてもリリカルに感じられる。

このアルバムは、高橋悠治により1975年に録音された。コロムビアミュージックエンタテインメントから発売された日本盤のCDだ。ピアノの準備もジャケット写真からわかるように、高橋悠治が自ら調整したという。(20061220/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)
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Author:yoc
1998年から「カルト・ミュージック・コレクション」というWebサイトを始めた。これを2006年12月からblogの形で再開することにした。音楽を心から愛する者のために、俺は書く!

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