Berio Conducts Berio / Luciano Berio

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このCDの邦題は、収められた曲のタイトルをとって「シュマンIV」となっている。CDについている簡単な紹介文には「現代音楽ファンが待ち望んだ名盤の復活です。」と書かれているが、まさにそのとおりである。このCDには、ルチアーノ・ベリオの音楽がもつ様々な魅力が詰まっている。

「Points on the Curve to Find」は、短いパッセージの音で紡がれた曲である。全体的に音が薄いので素朴な印象を受けるが、ピアノ、3台のフルート、オーボエ、イングリッシュホルン、3台のクラリネット、アルトサキソフォン、2台のファゴット、2台のホルン、2台のトランペット、トロンボーン、チューバ、チェレスタ、ヴィオラ、2台のチェロ、コントラバスの合計23台の楽器による演奏である。それぞれの楽器が互いに影響を与えながら音を出しているようなところは、まるでジャズかブルースのインタープレイのようだ。

2曲目の、ベリオにとっては初期の作品である「Concertino」は、ロマン主義の香りもかすかに感じられる。現代音楽の作曲家としてベリオを見たとき、この曲は異質に思えるかもしれないが、ベリオの音楽に慣れていない人でも楽しめる曲だ。

「Chemins IV」は、ベリオのライフワークともいえる「セクエンツァ」と密接な関係のある「シュマン」シリーズの第4作である。「セクエンツァ」のシリーズは、基本的に1台の楽器によるソロ演奏曲だが、「シュマン」は「セクエンツァ」のいくつかの曲を合奏曲にしたものである。「シュマンIV」はオーボエによる「セクエンツァVII」を、オーボエと弦楽器のための協奏的作品に仕上げたものである。曲の冒頭はオーボエのソロで始まるが、次第に弦楽器が重なり合い、立体的に曲を構成するように展開する。

「Linea」は2台のピアノ、ヴィブラフォン、マリンバのために書かれた、ベリオにとって初のダンス音楽ということである。しかしダンス音楽といっても、もちろん尋常ではない。この曲でダンスを踊ろうと思っても、そう簡単ではないだろう。ベリオはこの作品について「リネアのテーマは、非常に単純な旋律と、もっと複雑な、分化した独立のアーティキュレーションズへと絶えず変形することである。4人の奏者は時として同じ旋律を”歌い”、時として分散をして別の音楽を奏する」と記している。

録音は1976年であり、比較的古い。ヘッドフォンで聴くと、テープのヒスノイズも明らかに聞こえるが、演奏は素晴らしい。このような音源をCD化したタワーレコードの企画に敬意を表したい。ジャケットの右下に小さくデザインされているのは、元のRCA盤のジャケット写真であろう。「TOWER RECORDS RCA Precious Selection 1000」というシリーズで、タワーレコードが企画し、株式会社BMGファンハウスが発売したものだ。日本盤のCDで定価が税込1,050円と廉価である。(20070217/yoc/カルト・ミュージック・コレクション)
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1998年から「カルト・ミュージック・コレクション」というWebサイトを始めた。これを2006年12月からblogの形で再開することにした。音楽を心から愛する者のために、俺は書く!

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